第8章 脱走した犬
気がつくと、は再び自分の部屋の前にいた。
「……っ!?……また……!?」
服もストッキングも身体もまるで何もなかったかのように、完璧に元通りだった。
引き裂かれた痕も精液にまみれた跡もも、一切残っていない。
まるで先程の出来事がただの悪夢だったかのように。
「は……っ……」
しかし、記憶と感触だけは残酷なほど鮮明に残っていた。
犬の怪異の太いペニスが奥深くまで抉り込んできた熱さと圧迫感。
子宮に大量に注ぎ込まれた熱い精液の感触。
獣の舌で膣内を舐めまわされ、イカされたときの強烈な快感。
それらが身体の芯に染みつき、今も奥がじんじんと疼き子宮が熱くうずいている気がする。
「夢……じゃないんだよね……? あんなに、めちゃくちゃに犯されて……中に出されて……」
は頰を赤らめ、太ももをぎゅっと閉じながら震えた。
心臓の鼓動が速く、恐怖と奇妙な余韻が混じり合って身体を熱くする。
それでも空腹は容赦なく襲いかかる。
は唇を噛み、恐怖を振り払うように小さく息を吐いて再び廊下を進み始めた。
「今度こそ……気をつけて……」
エレベーターを目指して慎重に歩を進めるが、犬の感触がまだ身体の奥に残っている気がした。