第14章 お茶会
「ハァ?アリスをまた連れてこいだと?」
太宰は執務室に戻ると真っ先に中也を呼び出した。
「そう。ケーキ届けるついでに日程調整してくれ給え」
「何のだよ」
「首領と会わせる算段のだよ」
ケーキとは、取引でアリスに所望されたものだ。
現在部下に手配させ、作成してもらっている最中である。
先程森に渡されたプリントアウトを中也に差し出す太宰。
素直に受け取った中也は、そこに写っている画像を見て、「げっ。」と太宰と同じ言葉を発した。
「中也の落ち度なんだから中也がやってよ」
「……。」
そこに写っているのは自分とアリスの姿。
恐らく、地下駐車場に移動したときのものだろう。
太宰の言葉に反論することが出来ない中也は、ハァと溜め息をつくと持っていた紙をグシャリと握り潰して太宰に突き返し、部屋を出ていったのであった。
「まぁ、この反応になるよねえ」
太宰も呆れている。
情報屋だけなら、森は此処まで反応を示さなかった筈だ。
当たり障りのないように、最小限に留めた報告書を作成して提出した心算だったのだ。
唯一の誤算とすればアリスの年齢ーーー
太宰はまたもや深く溜息をついた。
「首領、中原です」
太宰に云われてすぐに向かったのは首領室。
太宰とは違い、叩敲をして返事を待つ中也。入室許可の声を聞き、中に這入ると敬礼を行う。
「ああ、中也君。よく来てくれたね」
頭を上げて、の声で頭を上げる中也。
「件の少女との接見の件で参りました。都合の良い日をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「何時でも良いよ。彼女の都合に合わせてくれ給え」
「……宜しいのですか?」
「勿論。予定が被った場合、此方をキャンセルする」
「……承知致しました」
「あ、彼女の好きなものも併せて聞いておいてくれないかな?」
「手配しておきます」
「宜しくね中也君」
ニッコリ笑う森に一礼すると、中也は首領室を後にした。
廊下に出てため息を一つ零す中也。
「こりゃ相当だな……」
誰に聞かれるわけでもなくぼやくと、中也はポートマフィアの本部を出ていくのであった。