第12章 居場所
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「ひぃ。殺さないでくれ!私は只、○×に誘われて資金を提供しただけなんだ!」
突然の侵入者に怯える男。
「○×?嗚呼、ポートマフィアの傘下企業か」
「何故、そんな事を知っているんだ?!」
「教えてあげる義理、ある?」
目の前にいる人物は、口元は笑っているが目が全く笑っていない。
恐怖で腰が抜け、這いつくばるように壁際に逃げる男。
「どんなことが行われているのか、本当に知らないの?」
「知らない!具体的な内容は本当に一切聞かされていないんだ!信じてくれ!」
「へぇー」
眼の前の侵入者は、少し考え込む。
「まあ、それは信じてあげる。じゃあ次の質問。抑も、話の出所は何処?」
「詳しくは分からんが▲▼が話を持ち出したと聞いている!」
「▲▼?」
「△▽の弟だ。約8年前、事故死した!」
「!」
目の前に対峙する人物が大きく反応する。
此れを好機と思ったのか、話を続ける。
知っていることを凡て話したとしても油断した隙に懐の銃で始末すれば―――。
「面白いものを手に入れ、長年に渡って準備していたと云っていた!」
「面白いもの…それって此位の革製の手帳?」
「何故それを?!」
男が驚き叫ぶ。そんなことなどお構いなしに侵入者は続ける
「そう…。▲▼って男が持ってたんだ。情報提供感謝するよ」
そういうと男に背を向けて歩き出す。その瞬間に懐から銃を出し、侵入者に向けた。
「形勢逆転だ。死ね!」
パァン!
銃声が鳴り響く。眼の前の侵入者は崩れ落ちる、筈だった。
「はぁ…」
そんな未来になることなく、溜め息をついて振り返る侵入者。
「?!」
弾が、侵入者の前で停止している。
「私が異能力者って想定出来なかったの?」
その光景に、その言動に震え上がる男。
「コレ、言葉と一緒に返すね?」
停止していた弾が男の元へ返っていった――。
遠くから聴こえてくるサイレンの音。
パトカーの様だ。
「銃声に気付かれちゃったかな」
目の前に転がるヒトだったものを一瞥して溜め息を着く侵入者。
「でも……」
部屋の扉の前に立つ侵入者は、どう見ても少女の姿をしていた。
少女の瞳には怒気が映っている――。
「やっと見付けた」
そう呟いて扉をくぐり抜けた瞬間に、その少女の姿は無くなったのだった。