【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第17章 テスト×約束×伏黒
「……は?」
「えっと」
「いやいや」
即座に否定が飛んでくる。
「ないない」
「でも」
リンは少しだけ視線を伏黒へ向けた。
その視線に気付いた伏黒がこちらを見る。
「?」
何だ。
そう言いたげな顔。
リンは慌てて目を逸らした。
「だって……」
小声になる。
「伏黒先輩、先生見てる時の目……」
「目?」
「すごく……優しそうというか……」
言葉を探す。
うまく説明できない。
けれど。
普通に教師を見る目ではない気がする。
「なんというか……」
釘崎は数秒考えた。
そして。
「考えすぎよ」
あっさり切り捨てる。
「それに」
肩を竦める。
「さん、乙骨先輩の彼女さんだし」
「え?」
リンが固まる。
「ほら」
釘崎は廊下へ視線を向けた。
「指輪つけてるじゃない」
「……えぇ!?」
リンの声が裏返った。
「そうなんですか!?」
「知らなかったの?」
「知りませんでした……。」
目を丸くするリン。
釘崎は呆れたようにため息を吐く。
「どこ見てんのよ」
「全然気付きませんでした……」
「まぁ、あの二人あんまりベタベタしないしね」
そう言いながら釘崎は鞄を肩に掛ける。
一方。
リンはまだ衝撃から立ち直れていなかった。
「乙骨先輩と……」
「そ」
「先生が……」
「そ」
「付き合ってる……」
「今さら?」
そんな二人の会話を聞きながら。
伏黒は静かに窓の外へ視線を向けた。
もちろん聞こえていた。
聞こえていないふりをしただけだ。
春の風が窓から吹き込む。
伏黒は小さく目を伏せる。
そして何事もなかったかのように席を立った。
また1つ新しい恋が動き始めていた。