【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第16章 海×陸
教室には既に生徒たちが集まっている。
窓際の席では虎杖が退屈そうに椅子を揺らし、
その隣で釘崎が「うるさい」と小突いていた。
伏黒は相変わらず静かに腕を組み、そんな二人を横目で見ている。
少し離れた場所では乙骨が穏やかな表情で会話を聞き、
真希は呆れたようにため息をついた。
「毎年思うんだけどさ~、別にこんなかしこまる必要ねぇだろ…」
「まぁまぁ、1年生は緊張してるだろうからさっ」
そんなやり取りの傍らで、狗巻は静かにお茶を飲んでいた。
賑やかな空気。
騒がしい会話。
窓の外では桜が散り続けている。
ガラガラガラ・・・と教室の扉が開く。
「あ、みんな早いね!」
に視線が集まる。
「お、ついに来たな!」
全員がソワソワと、落ち着かない様子。
「2人とも入って~?
……ほら。」
私がそう促すと、
「ちっ」
という小さな舌打ちが聞こえた。
次の瞬間。
勢いよく一歩目を踏み出し教室に入る男。
最初に姿を現したのは、日に焼けた肌の少年だった。
制服の着こなしはどこか雑で、鋭い目つきは明らかに愛想が良いとは言えない。
その背後から、そっと顔を覗かせたのは小柄な少女だった。
銀色の鈴がついたチョーカーが、窓から差し込む春の日差しを受けて小さく輝く。
「さ、自己紹介してくれる?」
優しくほほ笑む。
少年は、周囲をぐるりと見回した後、
「……滝田潮」
ぶっきらぼうに名乗る。
「よろしくとかは言わねぇ」
その一言に教室がざわついた。
「態度でけぇな」
真希が呟き、
「面白そうじゃん!」
虎杖はむしろ楽しそうに笑う。
そんな周囲など気にも留めず、潮は腕を組んだまま教室の奥へ視線を向けていた。
そして。
「……あ」
大勢の視線を受けた瞬間、肩がぴくりと震えた。
警戒心を隠しきれないまま、それでも意を決したように前へ出る。
「い、戌井鈴です……」
小さな声。
けれど、その言葉は静まり返った教室によく通った。
「秋田から来ました」
深々と頭を下げる。
新しい春。
新しい出会い。
そして――。
この日から、高専に新たな物語が加わることになる。