【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第11章 original+
隣で、夏油傑が静かに目を細める。
夏油「……帰る前に、一つ付き合ってくれるかい?」
が顔を上げるより先に、龍がゆっくり進行方向を変えた。
雪山を越え。
暗い森を抜け。
やがて、月明かりに照らされた場所へ降り立つ。
白い湯気が立ち昇っていた。
龍から降りると、少し驚いたように辺りを見回す。
「……ここは?」
涙をそっと拭いながら問いかける。
すると夏油は穏やかに微笑んだ。
夏油「ここはね、誰も訪れないままの温泉地帯だよ」
雪の積もる岩場。
静かな湯気。
周囲には人の気配なんて一切ない。
夏油はそのまま楽しそうに続ける。
夏油「少しだけ、浸かっていこう」
そして、ふっと目を細めた。
夏油「寒い日の温泉は格別だからね」
そう言うなり、夏油は迷いなく羽織を脱ぎ始める。
「えっ、ちょ、夏油さん!?」
止める間もなく、さっさと服を脱いでいく。
そして。
ちゃぽん、と。
白い湯気の中へ肩まで浸かった。
夏油「……はぁ、生き返るねぇ」
ものすごく満足そうだった。
一方のは、完全に思考が追いついていない。
「温泉って言ったって……」
周囲を見渡す。
仕切りも何もない。
ただ一つ、大きな天然の湯溜まりがあるだけ。
突然の出来事で、涙がすっと、止まる。
湯気がゆらゆら揺れている。
が固まっていると、夏油がくすっと笑った。
夏油「大丈夫。誰もいないよ」
そう言って、湯の中から手を差し伸べてくる。
は慌てたように視線を逸らした。
「わ、わかったから……その、あっち向いてください……」
夏油「はいはい」
夏油は楽しそうに笑いながら、素直に後ろを向く。
そわそわしながら、一枚ずつ服を脱いでいく。
冬の空気が肌に冷たい。
けれど、湯気の熱がすぐ近くにあった。
恐る恐る、足先を湯へ入れる。
「……あったかぃ……」
じんわり熱が広がる。
ゆっくり身体を沈めていき、肩まで浸かった瞬間、
小さく息を吐いた。
冷え切っていた身体が、すっと解けていく。