【呪術廻戦】年下のきみが可愛くて。/みんな×主(先生)
第10章 original
「私にとって、それ以上に嬉しいことはないから
また会いに来るよ」
そう言って離れようとした、その瞬間。
ハヤミの腕に、さらに力がこもる。
ハヤミ「俺は、あの日以来!!!」
突然の大声にびくっと肩を震わせる。
けれどハヤミは構わず続けた。
ハヤミ「あの日以来……呪術界の上層部が憎くて仕方ない……!」
声が震えていた。
怒りと、悲しみと、十年間積み重ねた憎悪。
それ全部が混ざっている。
はっと息を呑む。
するとハヤミはの耳元へ顔を寄せ、低く囁いた。
ハヤミ「……なぁ」
殺気の滲む声。
ハヤミ「俺たちで、呪術界の上層部を潰そう」
その瞬間。
ぶわり、と。
荒々しい呪力が周囲へ溢れ出す。
雪が揺れる。
空気が軋む。
ハヤミ「俺は、許さない」
煮えたぎる呪力。
けれど、その時だった。
が、そっと腕を回す。
そして。
ぎゅっと、ハヤミを抱きしめた。
「……ハヤミ君」
静かな声。
「気持ちは、痛いほどわかる」
自身も、何度も考えた。
憎んだ。
壊したいと思った。
そして、壊せる力があることを知った。
それでも。
「でも、今はヒナタちゃんがいる」
その言葉に、ハヤミの肩がわずかに揺れる。
「もし、一人にしちゃったら……
私は、ハヤミ君にも、ヒナタちゃんにも、
傷ついてほしくない。
だから……」
言い終わる頃には。
ハヤミの荒れ狂っていた呪力は、静かに落ち着いていた。
の精密な呪力操作。
荒れた流れを優しく包み込み、鎮めていく。
夏油は何も言わず、その光景を静かに眺めていた。
やがて。
ハヤミの腕から、するりと抜ける。
力なく下がる腕。
は少しだけ寂しそうに笑った。
「……会えてよかった」
雪が静かに降り続ける。
「またね」
たった一言。
それだけを残して、夏油の方へ歩いていく。
夏油が静かに手を差し出した手を、そっと握る。
次の瞬間。
夜空の奥から、巨大な龍がゆっくり姿を現した。
一度だけ振り返った。
雪の中に立ち尽くすハヤミ。
その姿を目に焼き付けるように見つめながらその場を離れた。