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その距離、反則につき。

第7章 Lesson6 掛け違えたボタン


 レイは、とにかく寝起きが悪い。
 ホグワーツ時代は寝ながら大広間に向かい、寝ながら朝食代わりに紅茶を一杯飲んで授業に向かっていたが、最高学年になり授業が複雑化すると、朝食前から今日一日の予習をしないと授業についていけなくなっていた。
 なのでこの日も、レイはハーマイオニーに起こされると、眉間にしわを寄せながら勉強道具を持って談話室に向かった。

 まだ外も薄暗い中、談話室には数人の生徒が居た。殆どが7年生で、やはり睡魔と格闘しながら予習復習に励んでいる。その中には、当然ドラコとアレクセイの姿もあった。
 ――が、そのドラコの隣に、珍しく女の子が立っていた。

「……ドラコ?」

 声を掛けようとした瞬間、女の子は一瞬だけレイの方を振り返ると、そのままドラコに向かってお辞儀をして女子寮へ帰っていった。何だか自分が無理やり会話を終わらせてしまったみたいで、ちょっと嫌な気分がする。
 それが顔に出たのか、レイの傍に来るとドラコは少し怪訝な顔をした。

「どうした?朝から不機嫌そうに」
「朝はいつも不機嫌だ」
「確かにそうだけれど、今は特に機嫌が悪そうだ」

 「何かあったのか?」と問われたので、レイは単調に「さっきの子は?」と返した。するとドラコは「ああ……」と言って、今度はドラコの方が不機嫌そうに……いや、面倒臭そうに眉間にしわを寄せてため息を吐いた。

「……家の事で、少し厄介なことになった」
「厄介な事?」

 それまで静かに勉強していたジニーが、好奇心満々といった顔で会話に入ってきた。まったく、この好奇心旺盛な性格は少しどうにかしないといけない。世の中には好奇心は猫をも殺すと言う言葉があるのだ、いつか痛い目を見ないか心配だ。
 ドラコは一瞬考えるようなそぶりを見せた後、机を囲んでいたレイ達に聞こえるように囁いた。

「一応お前たちにも関係あるから言っておく。……聖28一族についての話しだ」
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