第4章 Lesson3 熱を上げているのは?
聖・アンドルーズ大聖堂は荘厳なロマネスク様式の教会だった。身廊と呼ばれる巨大な廊下、その両端には側廊と呼ばれる空間を、慌てて改築したであろう教室が左右合わせて8つあった。
ホグワーツの教科は選択授業合わせ最大11教科だった。それに加え、本来なら7年生から上級数占い学と錬金術が受けられることになっていたのだが……やはり仮校舎だけあって、全ての科目を勉強することは難しい様だ。
さて何の授業が削られたのか。何にしてもマグル学が残った確率は低いだろう。マグル大好き人間のレイは人知れず小さくため息を吐いた。
「ねえ、あれ何かしら?」
好奇心の塊であるハーマイオニーが指さす方を見ると、既に到着していた生徒たちが集まって、何かを受け取っている。よく見ようと近づくと、フリットウィック先生が甲高い声で生徒達を集めていた。
懐かしいその姿に、思わずレイとハーマイオニーのテンションが上がる。
「お久しぶりです、フリットウィック先生!」
「おお!ミス・グレンジャーとミス・グレイン。それにミスター・マルフォイも健在でなにより!」
フリットウィック先生は3人の姿を確認すると、嬉しそうに甲高い声で挨拶を返してくれた。流石は元決闘大会のチャンピオン、第二次ヴォルデモート戦争での熾烈な争いをほぼ無傷で切り抜けたらしい。その姿は前にも増して元気そうだった。
「3人とも長旅で疲れているところすまないが、早速自分達の寮監の所に行きなさい。そこでバッジが貰える」
「バッジって何ですか?」
「自分の寮を示すピンバッジだ。詳しくは新入生歓迎会でマクゴナガル先生が説明してくれるだろう」
それだけ言うと、フリットウィック先生は自分の寮生が集まる雑踏の中へと消えて行ってしまった。
では自分たちもマクゴナガル先生を探しに――と、ドラコに背を向けたが、この巨大な建物の中で果たしてドラコは独りで先生を見つけられるのだろうか。
あの厳つい腰ぎんちゃくのクラッブとゴイルを従えてないドラコの姿は、どこか頼りな気に映ってしまう。
レイが不安になってつい後ろを振り返ると、その視線に気づいたのかドラコは神経質そうに眉を吊り上げた。