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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第9章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ II **


𓂃 side:伏黒恵 𓂃



俺が中三に上がって間もなく、津美紀が呪われた。


正体不明、出自不明。
全国に同じような被呪者がいるらしい。

何も分からないということだけが分かって、津美紀は寝たきりになった。



津美紀を高専関係の病院に入院させた、その日の夜。

部屋の電気を消しても、どうしても眠れなかった。
何度目か分からないくらい寝返りを打って、壁の方を向く。


目を閉じると、病室のベッドで眠っている津美紀の顔が浮かんだ。


なんで、津美紀なんだよ。


考えたところで、答えなんか出ない。
五条先生にも分からないことを、俺に分かるはずがなかった。



コン、コン。



控えめなノック音の後、ドアがわずかに開く。
その隙間からが顔を覗かせていた。



「……何」



は答えず、俺の顔をじっと見る。
それから部屋に入ってきて、ベッドの横まで歩いてきた。



「もう寝ろよ」



そう言って背を向ける。
けれど、は出ていかなかった。



「……なんだよ?」



振り返ると、が自分とベッドを交互に指差している。



「ここで寝るのか?」



こくん、とが頷いた。



「……いや、自分の部屋戻れよ」



は首を横に振った。



「戻れって」



もう一度強めに言っても、は動かない。
むしろ、俺をじっと見返してくる。

その場から退く気はないらしい。
どうせ、俺のことを心配してるんだろう。



「俺は平気だから」



そう言っても、は納得しなかった。
眉を寄せて、今度は布団をくいっと引っ張る。



「……ったく。好きにしろ」



何を言っても無駄だと分かって、仕方なく壁際へ身体を寄せる。
はもそもそと俺の布団の中へ潜り込んできた。
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