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かるら怪談

第43章 みえないこども


☆☆☆
 数週間後、事態は意外な結末を見せました。
 L子が警察に逮捕されたのです。
 地方紙の隅に「T中L子」という名前を見つけました。
 容疑はネグレクトの末の衰弱死、「保護責任者遺棄致死」とのことでした。少なくとも数カ月に渡って、ろくな世話をしなかったと推定されたそうです。ちょうど、L子が彼氏と付き合いはじめて、お洒落になっていったころでした。
 A子がもっと驚いたのは、掲載されていた長女「S実ちゃん」の写真を見たときでした。
髪の毛の長さ、背格好が、あの公園に佇んでいた女の子に思えてならなかったのです。
あの時、すでに、S実ちゃんは亡くなっていたのではないか、自分が死んだことを誰かに知ってほしくて、公園でじっと自分を見ていたのではないか。
 
 あの食事に行った日も、おかしいと思うべきでした。
 
 3歳の子供を持つ母子家庭の母親が、休日の夜9時過ぎまで食事に行かれるわけがない。
子供が邪魔だと思って無視することで彼氏ができたのか、彼氏ができたので子供の世話をしなくなったのか、どちらかわかりませんが、L子はS実ちゃんを「いないもの」として扱ったのです。

 そして、いないものとして扱っていたS実ちゃんが幽霊となって現れたとしても、L子には、やはり目に映らなかったのです。
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