第39章 ずるい
しかし、一緒に行こうと言ってきた当のN子が突然ライブに行かれなくなったと言ってきた。
理由を聞いてもはっきりしたことは言わない。とにかく行かれなくなったと言い、自分の分のチケットをB子に押しつけるように渡してきたのだ。
更に不思議なことがあった。
ライブの3日前、K子の母親から久しぶりに電話があったのだ。
「B子ちゃん、ちょっと言いにくいんだけど」
そう言うと、件のアーティストのライブに、K子の遺影を持って行ってほしいというのだ。
どうして自分がライブにいくことを知っていたのか?と聞いてみると、やっぱり、と声を漏らし、こう続けた。
「昨日、夢にKちゃんが出てきて言ったのよ。
それで、いっしょに連れてってほしいのかなって」
数日前のK子の出てきた夢を思い出して、B子はちょっと背筋が寒くなった。
K子はやっぱりライブに行きたいのだろうか?
もしかして、N子が行かれなくなったのもK子が関係している・・・等と考えていた。
それでも、とにかく親友が夢で訴えているのだから、と思い、K子の母親から遺影を受け取り、B子は一人でライブにいくことにした。チケットは1枚余るが、とうてい誰かを誘う気にはなれなかったのだ。