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かるら怪談

第36章 死神


☆☆☆
その日、D子は何人かの友達と公園で遊んでいた。女の子は鉄棒付近でおしゃべりをし、男の子は公園の中央にある小山を模した滑り台を駆け上がり、互いの足を引っ張りあって落としっこをするという、ちょっと危なっかしい遊びをしていた。

D子と仲良しだった子が密かに好意を寄せていたクラスメートのFくんも一緒に遊んでいたので、D子たちはその様子をなんとはなしに窺っていたのだ。D子は友達の恋を応援するつもりだったので、なんとか、2人の話のきっかけを作れないかと思い、男子たちが遊んでいるところを特に熱心に見ていた。

すると、ちょうど自分たちとその小山を挟んで反対側、公園の植え込みの木立に、D子たちと同じように男子達を見つめている女の子がいた。年もD子たちと同じ位。ただ、真っ黒いワンピースを着て、腰まであるような長い髪の子だったが、まるで見覚えがなかった。

前髪が顔にかかっていて、目の辺は良く見えないが、その子もじっと男子達を見ているのは分かった。

『あの子も誰か好きな子がいるのかな?』

D子が気になって見ていると、不意に、その黒づくめの子が『ニッ』と笑った。
同時に、小山で何人かの男の子の悲鳴に似た声があがる。

「たいへんだ!」
「Fが!Fが!」

あたりが騒然とする。男の子の一人が頭から落ちてしまったのだ。D子が目をやると、Fくんがすべり台の下でグッタリ倒れている。

落ちたのは、Fくんだったのだ。

遊んでいた子たちが駆け寄ってくる。頭を打って意識をなくしている。
その後は、同じ公園にいた大人の誰かが救急車を呼んでくれたり、集まってきた近所の人の一人が心臓マッサージや人工呼吸をしたり、それは大変な騒ぎだった。

結局、Fくんはそのまま亡くなってしまった。
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