第36章 死神
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「ねえ、死神っていると思う?」
数日前の休日、特に遊びに行く宛もないままぶらりとショッピングに来た私達は、お腹が空いたので、手近な喫茶店に入ることにした。
とりあえず、コーヒーとサンドイッチを頼み、コーヒーが来たところで、藪から棒にD子が言ったのが冒頭のセリフだった。
私は、いないと思う、と適当に答え、コーヒーを口にした。
別に蒐集しているわけではないにも関わらず不思議な話を聞くことが多い私だったが、死神の目撃談などとんと聞いたことがない。
「あなたなら、心当たりあると思ったんだけどな」
D子もコーヒーを口にする。苦かったのか、やや眉をひそめ、ミルクをタップリ入れ、くるくるとスプーンでかき回していた。
「実は、私、死神・・・、多分だけど、見たことがあると思う」
そこからD子が語ったのは、こんな奇妙な話だった。