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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第48章 祭典と籠


医務室

診察台の上には、整理途中のカルテが積まれている

硝子は手を止めず、向かいに座った紅海を見た
「とりあえず、呪力は安定してるし、今のところ異常無し…
……それで?何か言いたそう…」

『ちょっと、聞きたいことがあって』
「何?」
『私の監視って、どうしたら解けるのかな?』
硝子の手が止まった

「……急だな」
『うん。前から気にはなってたんだけど』
紅海は困ったように笑う
『いつまでもこのままって訳にもいかないでしょ?
だから、何かできることがあるなら頑張りたいなって』

「具体的に、何を頑張るつもりなんだ?」
『それが分からないから、硝子に聞いてるんだけど』
「なるほどね」
硝子はカルテを閉じた


監視の解除は、紅海が日々の生活態度を改めれば済むような単純な話ではない

そもそも、誰が何を条件に監視を決めているのか…上層部が絡んでいるならなおさら

その判断基準が明確でなければ、紅海一人が努力したところで、解除につながるとは限らない

「少なくとも、私が今ここで具体的なことをアドバイスは出来ない
そもそも決定権がどこにあるのか、条件が何なのかも有るし、それが分からないと」

『そっか……』
紅海は、素直に頷いた
『でも、何かできることがあるなら、知っておきたいな』

「なんで、そんなに急いでるんだ?」
『え?』

「いや…前から気にしてたのは知ってるけどさ…今日は、やけに熱心だから」

紅海は少し考えた
それから、いつもの笑顔を浮かべる

『だって、悟に迷惑かけたくないもん』
硝子は、紅海を見た

「……五条に?」
『うん…わたし、悟の部屋の隣に越してきたでしょ?
プライベートの外出だって、悟が監視として大体ついてこなくちゃいけないし
ずっと、いろいろ気を遣わせてると思うから』

「それは五条が決めてることだろ」
『そうなんだけど……』
紅海は、膝の上で指先を組み直した

『悟には、もっと自由にしてほしいなって』
「自由?」
『うん…私のこととか、気にしないで自由に…』
そこまで言って、紅海は口を閉じた
言いすぎた、と思った

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