• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第44章 おいでとさぼり


「子供に責任を負わせるな」
「……分かってるよ」
浅葱は苦笑し、頬杖をつく
「分かってる…分かってるんだけどね」

自分の娘を亡くし婿まで亡くなり
そして残された子供には、異常な呪力がある
偶然だと言い切るには、あまりにも重なりすぎていた


楽巌寺はしばらく目を閉じて考える
「……天与呪縛の可能性があるな」
「やっぱり?」

「まだ断定はできんが…何かを得る代わりに、何かを失う
生まれながらにして、本人の意思とは無関係に縛られている」
浅葱は黙って聞いていた
「しかし、紅海の場合は通常の例とは違う可能性がある」
「……何を代償にしている?」

楽巌寺は答えを急がなかった
「身近な者の死ではないか?」

浅葱の指が止まった
「……」
「両親が立て続けに死亡したこと…それと、あの子の呪力量」
「釣り合っている、と?」

「可能性は高い」
浅葱は目を閉じ、しばらくして小さく息を吐く
「……この子は、生まれた時からそんなものを背負っていたのかい」
「天与呪縛なら、本人には選べん」

「そうだけど……」
浅葱はしばらく黙っていた

それから立ち上がる
「ありがとう…聞いてよかったよ…
悪かったね…数分のために呼んでしまって
何か確信と、理由が私には、ほしかったんだよ」

「いや、せっかく来たんだ観光でもしていくかな」
楽巌寺は、席を立ちながら、浅葱が気を遣わないように一言付け加えた
そして…浅葱を振り返る

「浅葱」
「ん?」

「その子には、余計なことを教えるな」
「……」

「少なくとも今はな」
「分かってる」

 浅葱は静かに頷いた
「この子はまだ五歳だ…呪術師になるかどうかだって、これから本人が決めればいい」
「そうだな…」
 浅葱は楽巌寺を見送ると、自分も小さなカフェを後にした
/ 576ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp