【ワールドトリガー】Tone in full glory
第1章 再会
その日。
三門市は近界民の侵略を受けていた。
遊真がラービットと交戦中。
現れた、その姿は。
見覚えがある者であった。
「遊真、くん?」
「カノンさん」
ドガッ
遊真がラービットを倒し。
即座に攻撃を仕掛けてくる。
それを間一髪凌ぐ。
「なんでアフトなんかにいるの」
「…………わからない?」
泣きそうな顔で。
カノンは遊真の攻撃を躱す。
葛藤。
彼を攻撃することなど、したくない。
どうすれば。
『カノン。状況は』
ミラからの通信が入り。
返事に戸惑う。
「も、問題ないわ」
『時間がかかるようなら、さっさと使いなさい』
撤収の時間が迫っている。
意を決し、首元のネックレスを握る。
「トリガー、ON」
カノンの手には。
細く、長い。
漆黒の笛。
「まさか、」
遊真が声をあげた瞬間。
カノンは笛に唇を当てた。
奏でられる、音。
美しく、哀しい旋律に。
遊真の身体は沈む。
「ぐ…………っ」
義務は果たした。
カノンは遊真の前にしゃがみ込む。
「ごめんね」
「それ…………、」
「多分。遊真くんの思った通りだよ」
カノンは哀しそうに笑い。
遊真はそれを見て。
ああ、変わってない、そう思った。
「…………仕方ないの」
「つまんない噓つくね」
ギャンッ
「っ!!」
遊真のチェインによって拘束されていた。
「…………、黒トリガーの遣い手、遊真くんだったのね」
「カノンさんは、優しすぎるよ」
カノンは耳に付けていた、通信機器を地面に放り投げた。
これでいい。
もう戦わなくていいんだ。
そんなことを考える。
「勇吾さん、もういないんだね」
「うん。おんなじだ」
「空閑!」
「修」
うちの隊長。
頼りになる。
たまに融通きかないけど。
遊真の説明に笑ってしまう。
どうせ、遣われるなら。
遊真のいる、この場所で。
いつもと違う、空を見上げながら。