第126章 形勢逆転(けいせいぎゃくてん)
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「なるほど・・・間一髪だった、というわけですね?」
「あの!そ、それは私が・・・私が悪いん」
ここは祭部の事務室。橋本のもとに現れた怪異をなんとか退治し、その事後処置を終えた九条と明咲は、祭部の頭領である大鹿島に事件の全容について報告をしていた。
結論から言えば、怪異は存在し、それが橋本をほぼ捉えたところに、間一髪で九条が間に合って打ち払うことができた、というのが大雑把な事の次第だった。
明咲としては、もともと自分が現場でちゃんと占術を発動していれば事の全容にもっと早く気づけたという思いがある分、責任を感じているのであるが、その謝罪の言葉を皆まで言う前に九条からそっと手で遮られたのだ。
「今回の不手際は全て僕の浅慮から来たもの・・・彼女のせいではありません」
「で、でも・・・」
なおも自己の責任について言葉を継ごうとする明咲の肩に、九条がそっと手を乗せる。
「むしろ、明咲ちゃ・・・んんっ!姿さんには最後の最後まで助けられました。この事件は、彼女の助力なしでは解決することはできなかったでしょう」
その九条の言葉に、大鹿島は深く頷いた。
「事の次第を、もう少し詳しく、お聞かせください。特に、姿さんの占術の暗示を受け、怪異の存在を特定してからのち・・・白鷺姫を飛ばした後のことについて・・・」
「分かりました」
九条が大鹿島に説明した詳しい事情とは、このようなことだった。
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「ダメだ、電話に出ない!」
九条はスマホの画面を見て、苦い顔をした。普段、あまり表情を崩さない彼がそのような顔をするのは珍しいことだと明咲は感じた。
「あ!運転手さん!そこで止めて!」
窓越しに目的地であるマンションを認めた九条が、突然声をかけたものだから、タクシーの運転手は慌ててブレーキを踏むことになった。目指していたマンションは昭和感のある古い作りのマンションで、道に面した廊下の部分が外から丸見えの構造である。その7階辺りにパタパタと数羽の白い鳥・・・九条の式神、白鷺姫が羽ばたいているのが見える。
タクシーのドアが開くと、弾かれたように彼は外に飛び出していき、それを追いかけるように、隣に座っていた明咲も車を降りる。
「ああ!お客さん!お釣り、お釣り!」