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ネコの運ぶ夢

第12章 夢幻のネコ


☆☆☆
1週間ほど過ぎた。職場のおせっかいな部下たちには「ネコ探偵に依頼中」と適当なことを言っておいた。それでも朝霞くんはホッとしたような顔をしていた。いい子だ。

「課長、次の市民講演会なのですが、手配していた講師がその日都合が悪いと言ってきたんですけど・・・。」
「なに?この土壇場でか?」
「はい、まだ公募は打ってないので、切り替えは効くといえば効くのですが、探す時間が殆ど無いですね」
困ったな。
プライベートでも余裕がなく、仕事でも余裕がないか。気忙しくて苦しくなる。
しょうがない、とりあえず部下に関係各所に当たってもらい、急遽講演会を引き受けてくれる講師を探すこととした。

その時、ブルッとスマホが震える。メールの着信、谷山からだ。

『手がかりが掴めたぞ。例の店で』

それだけだった。それでも、か細い糸でも、今の俺にはありがたかった。
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