第6章 【闇夜の太陽/2章:逆ハ編】11~15話
──…
すこやかに寝っているアルタイルをローは一撫でしてから、部屋の隅に置いてある冷蔵庫からドリンクを二本出して、一つを無言でロシナンテに差し出す。
「サンキュ。それにしてもお前の《オペオペ》ってホントに便利だよなぁ。まあローだから万能に使いこなせてんだろうけど………!!」
「緊急のこういう時はな。でもガキの頃は分からなかったが、大人になると《サイレント》の重要性が分かる。特に━━━には必須だよな。うらやましいぜ」
「マジか。ロー………………」
ことあるごとに『ナギナギなんてイマイチ』と言っていたローが『うらやましい』とまで口にした事実にロシナンテは感動でふるえている。それをローは黙視してアルタイルをチラリと見やる。まだ寝ていたのでロシナンテを促して二人はソファへと移った。
「航海で使ってくれんのはフツーにありがてェし、助かってるけど、ガキ共に[安眠]させてやれるのもデケェと思うよ。人が多いと無意識でも神経使うからな」
「ガキ共や安眠安全の類いはともかく、だ。━━━関係のコトは……おれはお前の方がうらやましいんだぜ?」
「なんで?」
「だって………おれとの情事後はいっつも身体ツラそうなんだよ。…ムリなんてさせてねェのに…」
ハズかしいのか、いたたまれないのか、ロシナンテはとても小声でつぶやくと、顔を隠すように目をおおう。
「なるほど。どうしようもね系のヤツな。…なにも気にしねェで、たまには感情のままに思いっきり抱いてみてもイイんじゃねェのか?なにがあっても、おれが治してやるよ」
「………いや、ダメだダメだそんな恐ろしいコトはありえねェ!いくら『治る』っても傷だらけや血まみれになった━━━とか見てられねェよ。しかも『おれの手でした』なんて死んじまうからなおれが。お前はできんのか?」
「……………悪ィ。おれも絶対ェできねェ」
「だろ?よかった。まぁ、他のモンでも互いに必要な時は協力し合おうぜ」
「……分かった。ヨロしく、コラさん」
ニヤリと悪どく笑う二人は握手を交わす。
これから先───《ナギナギ》と《オペオペ》が至るトコロに使われるのを━━━はまだ知らない。