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たまのケージ【ヒロアカ】

第19章 笑わない人が笑った時ってキュンとする(爆豪勝己)


そんな、恋というモヤモヤを抱えていたある日の事。


その日はたまたま、A組のメンバーとの食事会が開かれていた。


「いやーっ、この感じやっぱいいわぁ!」
「落ち着くよねぇ」

元クラスメイト達は、思い思いに発言しながら食事を楽しんでいた。

そんな彼らを見ながら勝己はソフトドリンクの入ったグラスを傾けていた。

「そういやさぁ上鳴!おめーサイドキック雇ったんだろ?さっき峰田に聞いたぜ!」

切島が、上鳴に話しかけていた。

「そうそう、そうなんだよ!アタックしまくって、やっとなってくれたんだけどさー」
「へー、どんな人?」

耳郎も、興味ありげに話題に入っていく。

「個性も使い方上手いし、頭もいいし!事務作業もこなしてくれるし、マジ助かってんの!」
「そうなんだ。いいなー、ウチもサイドキック雇おうかなぁ」
「いやー、マジでありがとな、爆豪!」


いきなり話を振られて驚いた勝己は思わずグラスから口を離した。


「「爆豪?」」

耳郎と切島が、声をハモらせた。

そして、疑問と興味の混ざった表情で勝己に視線を注いだ。

その視線がうっとおしくて勝己は2人から視線を逸らすと、上鳴を睨みつけた。

「俺はなんもしてねっつってんだろ」
「ウソウソ!絶対なんか言ってくれたっしょ!」
「意外と優しいじゃん、爆豪」


優しい。


そんな事を言われると、内心照れる。

しかし、それを悟られるのは恥ずかしい事この上ないので勝己はなんとか誤魔化そうと必死になった。

「っせぇな!人の話聞けや!」
「またまたぁ、照れちゃ……っと……」

勝己を茶化していた上鳴が、突然ポケットに手を突っ込むとスマホを取り出した。

「あ、もしもし?え?今?駅前の居酒屋にいんの!そ、ヨリトミ橙!うん分かった、待ってんね、じゃ!」
「どうしたの上鳴」

耳郎がそう訊くと、上鳴はポケットにスマホを仕舞いながら答えた。

「いやー、なんか書類に不備があったみたいでさぁ。見て欲しいって」
「じゃあ事務所戻んの?」
「いや、ここに書類持って来てくれるって。ちょっと訂正すればいいみたいだからさ」

上鳴の言葉に、焼き鳥の並んだ大皿に手を伸ばそうとしていた勝己の手が止まった。


ここに、書類を、持ってくる?


という事は、必然的に繭莉と会ってしまう事になる。
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