第18章 会長の秘密(ホークス)
「……は……っ……」
私は、カーテンから差し込む光が眩しくて目が覚めた。
……なんだ……朝……?
あれ……私……えっと……?
途中から、何も覚えていない。
どうやら、啓悟に抱き潰されている途中で意識を飛ばして眠ってしまったらしい。
今、何時……?
起き上がろうと試みるけれど、どうにも身体がだるくて言う事を聞かない。
「繭莉ちゃん、何してんの?」
「へぇっ!?」
突然話しかけられて、ビックリした。
まだ寝ていると思っていた啓悟は、とっくに目を覚ましていたらしい。
いたずらでもした子供みたいに笑いながら、こちらを見ているじゃないか。
「……起きたいけど、身体が……」
「さっきまでめちゃくちゃイってたしね。身体、ついていかないんでしょ」
「……っむ……」
そんな風にしたのは、どこの誰だよ……
私がちょっと恨めしい気持ちを込めて啓悟を見ると、笑って誤魔化される。
「はは……でも、かわいかったけど?」
そう言って愛おしそうに目を細めて私を見るもんだから、なんだか照れてしまう。
「ねぇ、繭莉ちゃん」
「……なに」
「結婚、しよ?」
……は……
結婚、て……
「もう、してるけど……」
「うん。だから、指輪して?」
……指輪……
確か、クローゼットの中に……あったような……
ほったらかしにしていた指輪の行方を思い出していると、「捨てたの?」ととんでもない事を言われる。
「すっ、捨てるワケないでしょ!?」
「よかった。……あのさ」
「な、なに……」
啓悟は、寝転がったまま頬杖をついた。
そして、またしてもとんでもない事を言うのだ。
「俺の事も、捨てないでね?」
と。
「……いや……」
「なに?引いた?」
何を今更、そんな事を言うんだろう。
私には……
「捨てないよっ……」
あなたしか、いないんだから。
心の中で思った事は、恥ずかしいから言えない。
だけど、私が今言った言葉だけで啓悟はどうやら満足したらしい。
「はは、ありがと」
と、私の髪に指を通してさらさらと梳いた。
「繭莉ちゃん」
「ん?」
「いつかまた、俺の事好きって言って」
そう言った啓悟のほっぺたに、私は子供がするみたいなキスをした。
めいいっぱいの、好きを込めて。