第18章 会長の秘密(ホークス)
今度は、ツクヨミくんの頭上に疑問符が浮かぶ。
「何をそんなに―――」
「告白されそうになってたクセに、はぐらかそうとしちゃって」
突然、啓悟の声が聞こえて私はびくりと跳ね上がった。
「へぇっ!?」
そして、本人の姿を確認する暇もなく啓悟に腕を掴まれる。
「……ホークス、すまなかった」
ツクヨミくんは、啓悟にもぺこりと頭を下げた。
「いいって。常闇くんには、何度も助けられてるからね」
啓悟は、ツクヨミくんに笑いかけると、今度は私に笑いかけた。
「繭莉ちゃん」
だけど、その目の奥は全く笑っていなかった。
「……行こっか」
聞き慣れた声のはずなのに、どこか冷えていて聞いた瞬間、ぞくりと背中が凍りつくような気がした。
これから、拷問でも待ち受けてんじゃないかと思ってしまう程に。
「待っ、会長っ、あの……!」
相変わらず歩くのが速い。
その上、どこか急いでいるようで半ば啓悟に引きずられるように私は自分の家に帰ってきた。
その道の途中、ずっと心の中で思っていた。
勘違いしてて、ごめん。
と。
「ねぇ会長、あのさ……っきゃぁ!」
話しかけても何も返って来ず、家に着いた途端ベッドに身体を投げ捨てられる。
「……っいた……」
「繭莉さぁ」
乱暴に私の身体を組み敷いてきた啓悟は、疑いの眼差しを私に向けてきた。
「……なんか、高校生に気に入られて?緑谷くんに抱きしめられて?挙句の果てには爆豪くんに告白されそうになって?……何、考えてんの?」
「えっ、あ……え……?」
な……
なんで、そこまで知ってんの!?
ダイナマイトの事はともかく、どうして雄英での事まで!?
「『私、まだイケるかも』なんて勘違いしちゃってるんじゃないの?」
「……っ……!?」
図星だ。
ここの所、色んな人に言い寄られかけて、まだちょっとはイケるかもなんて思ってしまっていた。
「人がせっせと仕事してる間にそんな事考えて……ちょっと、ひどくない?」
そう言った啓悟の目は、ひどく寂しそうだった。
まるで、誰かに捨てられた人……みたいな……。
「ご、ごめんなさい……私……そんなつもりじゃ……」
「そんな事思われると、不安になるからやめてくんない?」
……え……
不安?