第18章 会長の秘密(ホークス)
私とダイナマイトの頭上には、疑問符が浮かんだ。
「爆豪、取りあえず繭莉を解放しろ」
ツクヨミくんがそう言うと、ダイナマイトは彼を睨んだまま私から身体を離した。
「あ、えと、ツクヨミくん!どういう……」
「来い、繭莉」
ツクヨミくんは私の腕を掴むと、例のキャバクラに向かって歩き出した。
「ちょっ!え、なん、え!?」
突然、意味が分からない。
なん……
私今、ダイナマイトに告られそうになってツクヨミくんが……あれ?え?
尚も混乱し続ける私と、そんな私を引きずるツクヨミくんがキャバクラに近づくにつれて、サイレンの音と共にパトカーが何台もそこに到着する。
そして、警察に連れられて男の人が項垂れながら歩いて行く。
「……パトカー……あのヒトは……?」
「分かったか、繭莉」
なんっも、分かりませんが!
めいいっぱい分からないという気持ちを込めてツクヨミくんを見ると、はぁと溜息を吐かれてしまう。
「……ホークスは、遊びでキャバクラに行っていたわけじゃない」
「……はぁ……?」
察すれば、なんとなく分かりそうなものをそれをする事すら忘れて首を傾げる私に、ツクヨミくんは説明してくれた。
このキャバクラの常連に詐欺師が潜んでいるらしい。
ツクヨミくんは、その情報を掴んだんだけどどうやってそいつの尻尾を掴もうか悩んでいたみたい。
その話を聞いた啓悟が、「いいよ、俺がお客になって潜入するよ。犯人の尻尾、掴めばいいんでしょ?」って救いの手を差し伸べたんだって。
「それで、キャバクラに通い詰め……」
「人聞きの悪い事を言うな、潜入だ」
ぴしゃりと言われて、私は思わず「ごめん……」と呟いていた。
「いや、しかしこちらもすまなかった。……本来なら俺が何とかしなければいけなかったものを」
ツクヨミくんに頭を下げられてしまって、こっちが何だか申し訳ない気持ちになってしまった。
ただの、潜入捜査。
なのに、私……めっちゃ勘違いしてた……
「ホークスが繭莉につけられていると言ったので探していたんだが……爆豪とあんな所で何を?」
頭を上げたツクヨミくんが、なかなかにセンシティブな質問をしてきた。
まさか、告白されそうになってたなんて言えなくて私は狼狽えた。
「……あ……えと……うん……?」