第13章 推しと好き(爆豪勝己)
首を捻った私の両肩を透ちゃんはガっと掴んだ。
「ホントだよ!おかしいよ!?どうしちゃったの繭莉ちゃん!」
「……うーん……?」
「なんか、あったの?」
うん……がっつり、あった……
「なんだろう、ね……?」
何だか話を逸らしたくなって、透ちゃんから視線を外すと、その先に爆豪くんが歩いているのが見えてドキっとしてしまった。
ど、どうしよう!
なんか、気まずいっていうかなんていうか……
焦る私の方に、どんどん距離を縮めてくる。
いや、ホントもう心の準備っていうか、出来てない!
そう思ったけれど、爆豪くんはナチュラルに私の横をスッと通り過ぎて教室に入っていった。
「……爆豪くん、今日は何にも言って来ないね?」
「……うん……?」
あ、あれ?
いつもだったら、邪魔だとか何とか……
「もしかして繭莉ちゃん、爆豪くんとなんかあったの?」
めっちゃ、ありました……
「……ううん……ないよ?」
何だか、言ってはいけない気がして嘘を吐きつつ思ってしまう。
なんか、無視された?いや、話しかけてないから分かんないけど……
……偶々……?
時間が経ったら、また元に戻んのかな?
男の子って、よく分かんない……
私は、頭の中を疑問と爆豪くんでいっぱいにしながら透ちゃんと教室に入った。
「あーっ、甘井ちゃん!」
私を見るなり、お茶子ちゃんが駆け寄ってきて何だろうかと疑問に思った。
「どーしたの?お茶子ちゃん」
「これね、さっき3年の人が甘井ちゃんに渡して欲しいって」
そう言ってお茶子ちゃんが渡してきたのは、一通の手紙だった。
「……なんだろ……果たし状……?」
「あはは!それ、ちゃうって!ラブレターだと、思うんやけど」
「……へ……」
……ラブ、レター……
「そ、そうなんだ……」
「ね!繭莉ちゃん、開けてみようよ!」
透ちゃんがワクワクしたような声で言うもんだから、ついつられて封に手をかけた。
その時、何故か爆豪くんの方を見てしまった。
すると、何の偶然か目が合って、何だか私が彼に何かを言って欲しくて見たんじゃないかと思われそうで気まずくなった。
「……」
爆豪くんは、ふいっと私から視線を逸らした。