【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第11章 The Night I Chose You
一瞬、黒尾の動きが止まる。
だが、彼は舌を離すどころか、逆に深く口づけてきた。
「……無視でいい。」
喉の奥で低く笑いながら、黒尾は仁美の首筋に噛みつく。
しかし──着信は切れても、すぐにまた鳴る。
鳴って、切れ、鳴って、切れる。
短い間隔で執拗に続く着信のせいで、どうしても意識が引き戻される。
「クロ……急用かもしれないよ……。」
苦しそうに息をしている仁美が囁くと、黒尾は舌打ちをして顔を上げた。
「……くそ。」
嫌そうに伸ばした手でスマホを掴み、画面を見た瞬間、眉がわずかに寄る。
知らない固定電話の番号。
「無視していいだろ……。」
それでもまた鳴る。
黒尾は肩で息をしながら、苛立ちを隠しきれない声で通話ボタンを押した。
「──はい。」
たった一言。
でもその一言のあと、黒尾の表情が変わった。
熱が一瞬で消え去り、眉が強く寄り、喉が上下して、肩が固まる。
「……病院?」
その声の冷たさに、仁美の背中がぞくりとした。