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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第112章 言えない〜時透無一郎 冨岡義勇【R強強】


無一郎が、急いで屋敷に戻って来ている事など、義勇も幸もゆきも考えてもいなかった。

屋敷では、今日もいつも通りの静かな時間が流れていた。

いつも通り義勇と屋敷を訪れていた幸は、ゆっくりとゆきの診察をしていた。

「今日は、調子どうですか?」

「大丈夫です。吐き気も収まって…」

穏やかに話すゆきを前に、幸の胸の奥にはずっと抱え続けていた問いが渦巻いていた。

愛おしそうにお腹を撫でるゆき

このお腹に宿る小さな命は、義勇の子なのか、それとも無一郎の子なのか

真実を確かめねばならない。ゆきさんもずっと不安定だし…今は師範も席を外して居ない。

幸はゆっくりとゆきに寄り添い、秘めやかに囁いた。

「ゆきさん、月のものは……いつから止まりましたか?」

もし、師範と身体を重ねるより前に途絶えていたとすれば……答えはひとつしかない。

ゆきが唇を開き、答えを紡ごうとした、その瞬間だった。

バタバタと廊下を揺らす荒々しい足音が響き渡り、勢いよく襖が開け放たれた。 

驚きに目を丸くするゆきと幸の視線の先

そこに立っていたのは、肩を大きく上下させ、荒い息を吐き出す無一郎だった。

乱れた長い髪、汗に濡れた額…

呆然と声を失うゆきの前に、無一郎は迷わず歩み寄った。

傍らの幸を押し退けると、溢れんばかりの情熱でゆきを強く、深く抱きしめた。

「ゆき…! 寂しい思いをさせて、不安にさせてごめんね……。」

愛する人の温もりと、腕から伝わる微かな震え。

「む、無一郎くん、何で?任務は?」

「急ぎで、帰ってきた。鬼の出現は落ち着いている。お館様にも二日で戻りますと銀子に報告に行かせた。」

ぎゅっと抱き締めてゆきを、無一郎は離さなかった。

幸が、少し手荒になっている無一郎の行動にゆきに、障りがあってはいけないと思い、焦りを感じ声をかけようとした時だった…

「冨岡さんの継子の君…空気読んでさ、部屋を出てくれないかな?」

ゆきに、向けた目とは違う冷たい視線を幸に無一郎は、向ける。

「あ、あのゆきさんは調子が悪くて、優しく抱き締めてあげてください。」

無一郎は、その言葉に眉をひそめた。


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