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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第3章 空色の恋(時透無一郎)



いつの間にか俺は…

そんな雫を、この手で守りたいと思うようになっていた。


箸の進まない夕餉を一旦中断し、頭を冷やそうと縁側に出た。



ヒュンっ…ヒュンっ…



大抵この時間は走り込む足音か、こうして素振りをする音が聞こえる。

「雫…」

『…っ…師範、すみません…
うるさかったですか?夕餉の最中でしたよね?
すぐに部屋に入ります。』

ペコリと礼をし、木刀を脇に抱える雫。


「雫…先程はすまなかった。
少し話さないか?座ってくれるとありがたいのだが…」

俺が縁側に座ると、躊躇していた雫もゆっくりと座った。


「………」

座らせたはいいが、具体的に話す内容が固まっていたわけではなかったため、沈黙が続いていた。


何か話さねば…


『師範…』

沈黙を破ってくれたのは雫だった。


『先程の事…気にしていませんので…』

ニコリとする雫に安堵した。


「そうか…」

『……もう…戻って大丈夫でしょうか?』

「あぁ…今日は確か非番だな?
ゆっくりするといい。」


『……はい。
師範…私でお役に立てそうな事があったらいつでも仰ってくださいね。』

悲しそうに微笑む雫を見て焦った。


「どういう意味だ…?」

『私が柱のお役に立てるのは…
口付けや同衾くらいなので…』


俺は

雫をそっと抱きしめた。


「…やはり誤解させていたんだな。」

『師…範…?』


「口づけはお前だからした…俺がしたかったからだ。
女だからではない。お前が…」

驚いて目を見開く雫の頭を包む手に力を込めた。





「好きだ…雫。
時透の元には行くな。」

『…っ……』

「師範命令だ。」


職権乱用ならぬ立場の乱用。


それくらい…

雫を側に置きたかった。

他の男になど抱かせたくなかった。


「…わかりました。無一郎の所には行きません。
あと…私なんかを好いて下さって…
ありがとうございます。」


ポロポロと流れる涙を見て、自分が失恋したのだとわかった。

「ふっ…俺は元来諦めが悪い。
お前の気持ちが俺に向くよう、精一杯努力する…
覚悟しておけ。」

雫はすみません…と小さく言った。
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