第2章 若草色の恋(不死川実弥)
翌日も相澤は休み時間、外を眺めてはぼんやりとしていた。
勉強に集中しないのでは困る。のだが…
どの席にいても、結局相澤は窓の外を眺めているし、成績は落ちていない。
授業中はしっかりと集中して聞いているし、なんなら俺の数学はクラスで一番よくできる。
わからん奴…
結局今は窓際の席に落ち着いている。
「雫ー、お昼食べよう。」
友人関係も良好だ。イジメも受けていない。
少々マイペースで天然…それくらいの受け取り方なのかもしれない。
それから一ヶ月に何回かのペースで…
「相澤さん…っ、ちょっといいかな?」
ヒュー、冷やかしの中で相澤を呼び出す他クラスの生徒。
告白っていつの時代も変わらんものなのか…
「若いねぇ…」
俺は職員室に向かい、昼食をとった。
「不死川先生!歴史のテストの採点が終わったので、念の為報告しておきます!今回は、◯◯が少し成績が落ちていました。
◯◯は…」
一歳年下の煉󠄁獄がテスト結果の報告をしてくれた。
声がやたらデカいので初めは面食らったが、裏表のない気持ちのいい奴で気に入っている。
「それから…やはり相澤はよくできますね!毎回彼女がトップです。才色兼備とはこのことなのですかね。」
ハッハッハ、と笑う煉󠄁獄。
まぁ…不思議ちゃんだがな…
昼食を終え、教科指導教室に行く途中、空き教室から声が聞こえてきた。
「俺は…結構本気でさ…
相澤に今気持ちがなくても気にしない。付き合っている中で徐々に知ってくれたらいいし…」
いいねぇ、少年。食い下がれ、食い下がれ。
面白可笑しくそんな風に考えていると…
『私は…不死川先生以外好きになる事はないから。
ごめんね…』
……………は?
「えっ…ちょっと待ってよ。不死川先生って、しなっちゃん?相澤さん、しなっちゃんが好きなの!?」
『うん…不死川先生は、前世からの恋人なの。』
ちょ………待て待て待て…何言ってるんだ、テメェは…
勝手な事言ってんなよな。
怒りで拳を握ると、ふと我に返った。
もしかしてこれは…相澤の作戦か…?
ヤベェ奴だと思わせて断るっていう。
いや、だとしても俺はどうなる。
色々考えても出ていくわけにはいかないので、とりあえず職員室に引き返した。