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【鬼滅の刃】彩りの恋(R18)短編集

第1章 群青色の恋(冨岡義勇)



「痛みを誰に言った所で同じ事。鎮痛剤を多めに飲んで、ゆっくり休め。」

はいぃ…と、骨折した隊士は泣きそうな顔をして縮こまった。



"めちゃくちゃ可愛くね?"



廊下を歩きながら、先程の隊士が言っていた言葉を思い出した。
雫は綺麗だ…と思う。初めて会った時もそう感じたし、実際団子屋には雫目的で来ているような奴も多かった。

だからこそ、たちの悪い輩に目をつけられ、ひどい目に遭ったのだ。


『…義勇様っ…お帰りなさいませ。
そろそろお戻りになられると思っていました。』

「ただいま戻った…それは?」

雫の手には膳が握られ、食事が敷き詰められていた。


『今日は隊士の方がみえていて、昼から何も召し上がっていないとの事なので、多めの夕餉を女将さんが作ってくださって…今運ぶ所です。今日は初めて卵焼きを作ってみました。』

ふふっ…と笑う雫の膳には茶色い卵焼きが乗っていた。

「………俺が持っていこう。」

『えっ…?いけません、そんなっ…』

「2人分だろう?もう1つを早く…」

『あ…はいっ。』



スパンっ



そこからはさっきの繰り返しのようなやり取りがあり、食事を出すと一言添えた。


「卵焼きは…どんな味であっても残すな。」


部屋から出ると、雫が立っていた。

『ありがとうございます…義勇様、急にどうされたのですか?』


「…特に理由はない。お前が一人で大変なのではと思っただけだ。」



大嘘つきだな。


自分で、自分を嘲笑する。

『おにぎりを作ってあります。
よろしければお部屋にお持ちしますが…』

「あぁ…頼む。」


雫がおにぎりを運んできて部屋を出ようとした時、とっさに呼び止めた。

「雫…」


『っはい…』

「…辛くないか?深夜に食事を作る事や、隊士の手当ては。」

『全くそんな事はないです…
むしろ…誰かのお役に立てる事が嬉しいです。』


そう笑う雫を見て、俺も口角が上がるのがわかった。


『義勇様……』

「何だ…?」


『義勇様は笑われると…更に素敵ですね…』

頬を染め、そそくさと部屋から出ていく雫。


更に素敵…


更にと言うことはいつもそう思ってくれているのか。

いや…それはないな。
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