第25章 意識
『うぅっ…、冨岡さんの…ばかぁ…っ』
「あぁ…。俺は馬鹿だな…。」
『どうしていつも…っ、
言葉足らず、なんですか…!?
なんで…、何も言わずに…っ…、離れていったんですか…!?』
「悪かった…。許してくれ…。」
『ひっ…く…、うぅっ』
私を抱き締める冨岡さんの腕の力は力強いのに、温もりは以前と変わらず優しくて…
またこの人の体温を感じる事ができて
嬉しさのあまり涙が洪水のように流れてくる。
もう二度とこの人と離れたくない…
そんな願いを込めて
私は自分の手を冨岡さんの背中に回し、強く抱き締め返した。
『とみおか、さん…、お願いです…、
もうどこにも……、いかないで…っ』
「っ…」
『わたし、も…、冨岡さんが好き…。
大好き、です…っ』
「…、今度こそ約束は守る…
…二度とお前を離さない。」
『うぅ〜っ…』
泣いている私をあやす様に
冨岡さんは抱き締めながら頭を撫でてくれて…
その手つきはあまりにも優しくて
私はしばらくの間、冨岡さんの腕の中で泣き続けた。
私が落ち着くまで
冨岡さんはずっと抱き締め続けてくれて
涙の流れが止まった拍子に体を離すと
冨岡さんの手が私の顔に伸びて来た。
「沢山泣かせてしまったな…。ごめん…。」
『本当ですよ…、あの日からずっと…
凄く寂しかったんですからね…?』
「分かってる…。
だがもうそのような思いはさせない。」
冨岡さんはそう言いながら
私の顔に残っている涙の跡を手で拭ってくれていた。
冨岡さんと離れていた期間は
そんなに経っていないはずなのに
触れられるだけでドキドキしちゃう…。
視線を合わせるのもなんだか恥ずかしくて
徐々に俯き加減になっていくと、顎に手を添えられて、グイッと上を向かされた。