第24章 指南
「ひどいよ冨岡さん…、
ちゃんを悲しませないでねって約束したのに…!!」
『蜜璃ちゃん…、私は大丈夫だからそんなに怒らないで?』
「怒っちゃうよ!!
だって私の大事なお友達を苦しめたんだもん!!」
『…ありがとね、
私は蜜璃ちゃんのその気持ちだけで嬉しい。
だから大丈夫、蜜璃ちゃんは怪我を早く治す事に専念して?』
「っ、ちゃん…」
蜜璃ちゃんは私の顔を見ながら
ずっと悲しそうな顔をしてたけど
私が無理矢理作った笑顔を見たら
冨岡さんに対しての怒りを鎮めてくれた。
あまり長居すると蜜璃ちゃんの療養上良くない為、話の区切りが着いたところで私は病室を出て自室に戻った。
『大丈夫、か……、よく言うよ…』
本当は全然大丈夫なんかじゃない…。
冨岡さんに振られた事…
もう恋人同士の関係じゃなくなって
何度も過ごした幸せな時間は二度と訪れない…。
あったかくて、
私を宝物のように優しく触れてくれた冨岡さんの温もりを、二度と感じる事ができない…。
冨岡さんの側にずっといたいっていう願望は…
叶えることはできない…。
『うっ…うぅ…ッ』
私はまだ、冨岡さんとの別れを受け入れきれてなくて…
あの人のことを考えるだけで、今みたいに涙が溢れてくる。
それは別れてから毎日…、いつも1人きりになった時だけ。
でも、私がこんな風に泣いたところで冨岡さんが戻ってくる訳でもないし、蝶屋敷のみんなに心配をかけるだけ…。
だから私は、誰にも聞こえないように
いつも声を押し殺して涙を流す。
自分の弱いところを見せたくないって理由もあるけど、泣いている理由を聞かれたら、冨岡さんとの事を話さないといけなくなる…、
蜜璃ちゃんには何とか明るく伝えることが出来たけど、別れた、なんて言葉をそう何度も自分の口から話したくない。
口にすることで
冨岡さんとの関係が終わった事は夢ではない…、現実なんだと、辛い事実を突きつけられて胸が苦しくなるから…。