第22章 恐怖
side 冨岡
「はぁっ……はぁっ……ッ…」
俺は今、全速力で蝶屋敷に向かって走っている。
その理由は、が1人で鬼と戦い
手負わされたと聞いたからだ。
命に別状はないらしいが
鎹鴉の寛三郎からその事を聞いた時
全身に冷や汗が流れ、気がつくとすぐに走り出していた。
無事だとは分かっていても
この目で直接を見るまでは安心できない…
大切な恋人が傷を負った、と聞かされて
のことを心配する気持ちと
鬼に対し激しい怒りを感じながら、俺はひたすら走り続けた。
しばらくすると、漸く蝶屋敷に到着し
門から急いで中へ入り、玄関の扉を勢いよく開けた。
すると、蝶屋敷に住んでいる女子の1人が掃き掃除をしているところだった。
ア「えっ、み、水柱様…?どうされたんです…」
「はどこだ…!?」
ア「あ…、さんなら病室に…、!?!?」
話を聞き終わる前に
俺はすぐに屋敷内へと足を踏み入れ
人の気配を辿りながら通路を走り続けた。
がここに運び込まれてから
然程時間は過ぎていない…
その為、アイツの側にはきっと誰かが付いているはずだと憶測を立てた俺は
走りながら人の気配を感じた病室の扉を勢い良く開けた。
「ッ、…っ」
最初に視界に入ったのは
ベットで横になり眠っているの姿…。
そして、の手当てを施してくれたであろう胡蝶…。
さらにはもう1人…、
ベットの近くの壁にもたれ掛かりながら
片膝を立てて座り込んでいる不死川がいた。
し「冨岡さん、お静かにお願いします。
手当ては先程終わりましたが
さんはまだ眠っているんです。」
胡蝶の言葉に頷いた俺は
気を鎮めながらが眠っているベットに近付いた。
「…」
穏やかに眠っている彼女の寝顔を見ながら
優しく手を握り締めると、の温かな体温をしっかり感じる事が出来た。