第33章 待ちに待った初戦
表彰台に上った加賀、シャンパンファイトも始まる嬉しそうに見ていた雅だった
「ねぇフィル?」
「ん?」
「嬉しいね」
「そうだな」
「ずっとこうやって見たかったんだ…城の…シャンパンファイト。」
「やっぱり前は見にくかった?」
「ん、やっぱりアンリの手前もあるし。手放しに喜べないよ」
「そうだよなぁ…」
「そのあとのも会えないし…って言ってもアンリは行って来いって言ってくれるんだけど…なかなかそうもいかないじゃない?」
そう続ける雅を見てフィルは小さく笑っていた。
「…それなら加賀のデータ鬼の様に取るのもわかるよ」
「鬼って…」
「だってあの短時間でどんだけの量を取るって感じだからさ?」
「取りたくなるよ。公にいくらでも取れるなら」
そう笑っていた。ファイトも終われば三人の記念撮影を済ませた。
「…どうだ?この後。」
「ん?」
「ほら、よく行ってたろ。表彰台登ったら一緒に飯」
「あー、悪い。」
「彼女、か?」
「あぁ、あとは初戦だからな。チームで行くわ」
「そうか。んじゃ、また」
そう話してチームの元に戻ってくる加賀。
「悪いな、待たせた。」
「いんや、早くに解放された方じゃねぇか?」
「それもそうなんだけど?」
そうしてトランクルームの中で着替えを済ませれば加賀はガレージに戻ってくる。
「…あれ、支度はすんだろ?」
「あぁ。」
「…つか…雅は…って…ハァ…」
ガレージの隅で机に向き合っている雅。帰り支度はすでに済ませ、まとめに入っていた。
「…雅?」
「あ、!城!お帰り!もう行く?」
「あぁ。」
「OK!」
そうしてパタンと躊躇う事もなくパソコンを閉じれば、さっさと片付ける雅は、一緒にガレージを後にしていった。