第33章 待ちに待った初戦
それから二日後、インディの初戦が始まった。
「…予選ってどんな風なんだろ…」
「クス、俺が一番手だ」
「え?そうなの?」
「あぁ、初戦だけはゼッケン番号の一番後ろから走る。二戦目以降はポイントの少ない順にアタックしていく。」
「…へぇ…サイバーとも大きく違うね」
「だな」
会場に着けば他のガレージに人がたくさん集まっている。記者たちもだ。
「…クスクス…こんなことあるんだ」
「ぁあ?」
「城がノーマーク…これ初めて見る光景だ…」
「確かに」
「でも仕方ねぇなぁ。ブリードとして走ってたのも何年も前の話だ。しかも今回城太郎としてだしな」
「確かにそれもそうなんだけど…」
雅はじめ皆が笑っていた。そんな時だ。
「…君、今季からなんだよね」
「あー、まぁ」
「僕は昨年チャンプのロベルト・ラジャー。ガレージが横なんだ。」
「よろしく」
「見た感じ若そうだけど?それに女の子一緒なんだ。彼女かい?」
「…だったらなんですか?」
「いや、男のレースに彼女連れとは、思い出作りかなと思ってね」
「…思い出…作り?」
「雅、やめとけ」
「…城」
「えーっと、ロベルト、だっけか?」
「あぁ。」
「ま、これ以上はレースで」
「大口叩いてられんのも今の内だな。どうせ君からのアタックだし?予選でクラッシュなんてやめろよ?」
小ばかにしたような笑みを浮かべてロベルトは加賀のガレージを後にしていく。
「…そういえばチーム名って…」
「シャトウ・ムーア」
そう声をかけてきたのはムーアだった。
「一応リックも居る事だし、オーナーも要るからっていうんでね。おはよう」
「ムーアさん!おはようございます!」
「おはよう、雅。城太郎の城をもらったが」
「ムーアだけでもよかったのにって言ったんだけどな」
「それじゃなんか恰好付かねぇだろ」
「……お前か…リック」
「まぁねー」
そう笑っていた。