第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
その時、がホークスに気付いた。
瞳が、大きく見開かれる。
「っ……け、いご…!」
必死に声を出す。
相澤の腕から身を起こそうとして、ふらつく身体。
ホークスは、考えるより先に走っていた。
ホ「!!」
が居るベッドまで駆け寄り、ぶつかるように抱きしめる。
きつい。
離す気なんて、最初からない抱擁。
ホークスの腕が、を包み込む。
壊れものを扱うみたいに、でも、二度と離さないと誓うみたいに。
相澤は、その様子を見ていた。
何も言わず、何も表情を変えず。
ただ、静かに踵を返す。
——見ていられなかった。
——そして、見てはいけないとも思った。
扉が閉まる音は、病室の中には届かないほど小さかった。
⸻
ホ「……ごめん。…ごめんな…………」
声が、震える。
「啓悟……っ、啓悟……」
今まで、呼べなかった名前。
触れられなかった時間。
押し殺して、押し込めて、なかったことにしてきた感情。
それが、一気に溢れ出す。
ホ「……生きとってくれて……ほんと、良かった……」
2人とも、泣いていた。
「啓悟……、怪我……大丈夫……?」
ホ「に比べたら……こんなん、余裕たい」
強がりの笑み。
でも、目は赤い。
ホークスの指が、の頬をなぞる。
ここにいる、と確かめるみたいに。
自然だった。
引き寄せる力も、唇が重なる距離も。
静かなキス。
それは、再会の証みたいで、祈りみたいで。
その後は舵を切ったように、何度も角度を変え、溶け合うようにキスをした。
唇が離れると、ホークスは俯いて言った。
ホ「……今まで、ごめん。…勝手に、遠ざけた。俺のために、荼毘にも会わせて……。気持ちは、捨てたつもりやった」
ホークスは、目を伏せる。
ホ「……言う資格、ないって分かっとる。……でも、もう限界や」