第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
相「それでも……」
相澤の視線が、再びに戻る。
相「が倒れて、血を抜かれて、利用されて……それでも、誰かの名前を呼んで立とうとするの見て、……もう、誤魔化せなくなった。俺が……に何を感じてるのか」
相澤は、の手を取る。
指先が触れただけで、確かめるように握る。
相「……怖かった。失うのが、壊れるのが……自分が、耐えられなくなるのが」
声が、わずかに震える。
相「でも……それ以上にが、いなくなるほうが……無理だった」
額が、また触れる距離。
相「……帰ってきてくれて、ありがとう。生きててくれて……本当に」
一拍。
相澤は、はっきりと、逃げずに言った。
相「……愛してる」
相澤の言葉が落ちてから、病室は、しんと静まり返った。
は、何も言えなかった。
胸の奥が、ぎゅっと潰れて、息を吸おうとしても、うまく肺に入らない。
——好き。
その言葉は、確かにあった。
ずっと前から。
気づかないふりをして、見ないふりをして、それでも何度も、何度も助けられてきた人。
誰より近くで、誰より静かに、誰より長く、を支えてくれた人。
……それなのに。
は、相澤の胸に額を押し当てたまま、唇を震わせる。
「……」
声が、出ない。
相澤の胸に顔を埋めたまま、は何も言わなかった。
自分が想われる資格なんて…でもそれを言ったら相澤は必ず否定する。
また、優しく包み込んでくれる。
そう、わかっていた。
でもそれが、怖かった。
だから、言葉を飲み込む。
喉がひくりと鳴るだけで、声にはならない。
ただ、涙だけが落ち続ける。
ぽろぽろ、ぽろぽろと止まらない。