第52章 奪われた夜、青い炎 ※
ホークスが掴んだのは、単なる勢力拡大の事実だけではなかった。
それは“日付”のある情報だった。
死柄木弔を頂点とする敵ヴィラン勢力。
超常解放戦線。
その中枢幹部、指導者層、主要戦力が一堂に会する決起集会。
全面蜂起の合図。
ヒーロー社会を叩き潰すための、始まりの号砲。
ホークスは、その日時と場所、参加する主要人物のリストを、一切の感情を切り離し、公安へと共有した。
公安は、即座に判断する。
この機会を逃せば、被害は指数関数的に増える。
ゆえに。
情報は、警察とプロヒーローたちへと段階的に伝達された。
内容は、ただ一つ。
決起の日に合わせ、超常解放戦線を一斉確保。
拘束。
施設制圧。
幹部の排除。
失敗は許されない。
そしてにも情報が共有される。
会議室に落とされた言葉は、どれも重く、冷静で、整理されていた。
人数、組織構造、拠点、決起の日付。
それを聞きながら、はただ一人の顔を、思い浮かべていた。
(……これ……全部……)
胸の奥が、きゅっと縮む。
これほどの情報を。
これほど正確に。
これほど深部まで。
――ホークスが、一人で。
誰にも弱音を吐けず。
誰にも寄りかかれず。
味方の顔をしながら、敵の中で。
(……どれだけ……孤独だったんだろう……)
笑っていた。
軽口を叩いていた。
羽根を広げて、余裕そうに。
でもそれは、“そうしていなければ生き残れなかった”だけ。
の喉が、きゅっと鳴る。
(……気づいてたつもりだったのに……)
全然、足りてなかった。