第45章 輝く舞台、愛される存在
そして、いよいよ文化祭当日。
1ヶ月の準備を必死に、必死に積み重ねてきた。
その“成果全部”を、この一日にぶつける。
は朝から、例の“特別ステージ”のために準備をさせられていた。
内容は当然まだ秘密。
その代わり、経営科3年の女子生徒たちが早朝からなだれ込んできて、そのまま拉致されるように部屋へ連れて行かれた。
鏡の前に座らされると、見る見るうちに自分の顔が“ステージ用の顔”になっていく。
少し派手めのメイク。
うなじの見える、きゅっと上げられた髪。
「先生まじかわいい!」「素材がピカイチ!」
「まじで肌キレーじゃん!」「これはやばい…」
女子たちのテンションが爆上がりしていく。
メイクとヘアが完成し、あとは着替えだけになった瞬間。
ふと時計に目をやった。
……もうすぐ10:00。
胸の奥がぐっと熱くなる。
どうしても、見たいものがあった。
「ごめんなさい着替えあとでします!」
弾かれたように立ち上がり、部屋を飛び出した。
走り抜けるたび、すれ違う生徒や来場者の視線が
にぱちんと吸い寄せられる。
けれど本人は、そんなこと少しも気づかない。
体育館の入口では、通形と壊理ちゃんが待っていた。
通「っ………さん!」
壊「わぁ……!」
ミリオは思わず見惚れ、それからそっとの手を取った。
まるで本物のお姫様をエスコートするかのように。
通「行きましょうか、さん」
壊「さんきれい…おひめさまみたい!」
「うん、ありがとうミリオ!壊理ちゃんも、ありがとう!」
会場はまだ暗い。
壊理ちゃんを抱っこした通形が、が足を取られないようにゆっくりと誘導してくれる。
ステージがよく見える中央付近まで行き、3人で並んでその舞台を見つめた。
もうすぐ始まる。
その瞬間を、息を潜めて待つ。