第7章 ・死皇帝
ゾロの言葉に、コンスは嬉しそうに目を細める。
「流石、良くご存知で。仰る通り、エジプトは砂漠の国でピラミッドや王墓も沢山ある所なのです。ニンゲン達の間では、長きに渡って摩訶不思議な場所と言われ、今でも観光地として栄えている国なんですよ」
「へえ、観光地なのか……楽しそうだな、一回行ってみてえなあ……」
砂漠の国と聞いたゾロは、ゾロの住む世界にある、アラバスタ王国を思い出した。
アラバスタも砂漠の国で、一時は海賊であるクロコダイルと言う男に国を乗っ取られそうになったが、麦わらの一味とアラバスタ女王ビビの活躍により、その危機を免れたのである。
熱い陽光、乾いた風、そして命を賭けた戦い……懐かしい景色が、その胸に緩やかに浮かぶ。
コンスは、満面の笑みを浮かべて喜んだ。
「勿論ですとも、是非お越し下さい。死皇帝は、古代エジプトの有名な神として自国は勿論、現在では他国のニンゲン達の間にも、伝わっている存在ですので……」
「あ、あぁ?死皇帝が……エジプトの有名な……神!?」
ゾロは、声が裏返る程に驚いた。
地球の人間達の間では、そこそこに名の知れ渡っている死皇帝。
ゾロは、全く訳が判らなかった。
死皇帝とは、一体何者なのか。
考えてみれば、彼は死皇帝についても、何故自分が死皇帝の力を受け継いでいるのかさえも、何も知らされていないのだ。
『強くなれりゃあ、それでいい』
ゾロの頭の中にあるものは、ただそれだけであった。
その為、死皇帝について訊く事等、これっぽっちも考えていなかったのだ。
彼の驚く顔を見たコンスは、心持ち小さな声で彼に訊いた。
「あっ……もしや……まだ閣下から、何も聞いておられないのですか……?」
「あ、ああ……おれは何も……ただ、死皇帝は、おれの『魂の片割れ』としか聞いてねえよ」
「そ、そうでしたか……これは、大変失礼致しました。僕とした事が、早まった事を……」
コンスは視線を落とし溜息を吐いたが、そんな彼を励ます様に、ゾロは笑顔を見せる。
「いや、そんなに気にする事ねえよ。あれだろ、他の仲魔から聞いたぞ……ルシファーの奴が言ってねえ事は、先に言っちゃダメなんだろ?」
「……ダメって事はないんですが、閣下の楽しみを奪う事になってしまうので、皆言わない事にしてるんです……大変失礼致しました……」