すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第6章 押し殺す声
「俺じゃないよ」
「え、そうなんですか?」
「逆に、なんで俺だと思ったわけ?」
「だって凜桜ちゃん彼氏いないですし、一緒にいるの代表じゃないですか」
「失礼なやつだな」
「だって!」
「んな事より仕事しろ」
そう言ってシッシッと手で払う仕草を見せた住吉。そのタイミングで凜桜から住吉にメールが届く。
『お疲れ様です。
すみません。明後日、17時上がりをお願いいたします。
川端様からお誘いがあり、18時指定となっております』
度重なる誘い。それでいて回数を増す事に気の重たくなるような空気をまとい出す凜桜。
『解った。ちゃんと持って行けよ』
そうして見送る言葉をかけるしかなかった住吉。ついて行って…深追いして…本当に仕事の話だけだったら信用を失う。それも大切にしたい社員の、だ。頭を抱えながらも仕事に勤しむ他なかった凜桜と住吉だった。
***
こうしている間にも約束の日、そしてきれいめな格好で出社した凜桜。
「…ハァ…」
朝から気の重たい表情。他の誰が見ても恐らくこの女性が今日誕生日で夕方からは誰もがうらやむホテルでのフレンチを食べに行くとは思わない程だった。
「おったんじょうび!おめでとーー!!」
遅いなと思っていた琥太郎や諒、そしてカメラマンとしている千紘。その後ろから住吉もまた小部屋から姿を現した。
「…ッッ…」
「おっそいよ!凜桜ちゃん!みんなであの部屋に…って…」
「…ごめん、びっくりした?!琥太郎の声がバカみたいにでかいんだって!」
「ちが…ッッ…」
「泣かしてんじゃねぇよ、このばか!」
「えー、俺?!俺が一人悪いの?!」
しかしそう笑いながらも心配する4人に凜桜は首を左右に振っていた。