第20章 「君の心をさらったその日から**」
私の視線に気づいたのか、
おばあちゃんは一瞬きょとんとしたが、すぐに笑いながら返した。
「食べてるわよ〜。三食きっちり」
そう言ってから、少しだけ得意そうに胸を張る。
「最近はね、さっちゃんと一緒にヨガスタジオにも通ってるの」
「ヨガ……?」
「そうそう。結構きついのよ、あれ」
へぇ、と相槌を打つと、おばあちゃんは楽しそうに身を乗り出した。
「そこのインストラクターの先生がね、またかっこよくてさ〜」
「もう先生に会いに会費払ってるみたいなもんよ」
「……おばあちゃん」
「なによ〜。楽しみがあるのはいいことでしょ?」
ふふと嬉しそうに笑うその顔を見て、少しだけ安心した。
(……運動、か)
それなら、うん。
本人がそう言うなら、そうなのかもしれない。
心配しすぎ……か。
おばあちゃんは湯のみを置くと、今度はじっと私の方を見た。
「こそ、新しい学校はどうなのよ? もう慣れた?」
急に聞かれて、思わず一瞬言葉が止まる。
「……うん。まあ、なんとか」
「友達できた? かっこいい男の子いた? 彼氏できた?」
「な、なにそれ……!」
「いるんでしょ~? おばあちゃん、勘は鋭いんだからね?」
にやにやと笑いながら覗き込んでくるおばあちゃんに、
私は思わず目をそらして、熱いお茶を啜った。
(……もぉ、昔からこういうの、平気で聞いてくるんだよな)
(そんな話、恥ずかしくてできるわけないのに……)
孫の恋愛話なんて、聞いて何が楽しいんだか。
でも、まだこのくらいならよかった。
このあとの爆弾発言がなければ――