第2章 〈天竜人編┃10話完結〉子供時代
〈第1章 ┃09/10話〉【09 荒唐無稽】1/2P
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首をかしげた父上は私をずっと見ている。それはとても──なにかを探るような視線でなぜか居たたまれない気持ちになってしまう。
べつに[異世界転生]とか[知識あり]のことは隠したいわけじゃないのだけれど。信じてくれるならいくらでも話すつもりはある。
(バレてる方がなにかと便利だもんね)
一応ごまかすにしても、世間知らずで片寄った独特な教育しか受けてない[天竜人]に産まれたせいで『読書や人の話を聞くのが好きな色々知ってる賢い子供』を装うのが難しくなった。
(でもごまかす必要がない感じには結構疑問に思ってくれてるから、大丈夫っぽい?)
今の会話や普段の父を信用して口を開く。
「……じつはわちし────」
父上が知りたいことは話せる範囲で話した。
・別世界で生きていた前世の記憶が戻った
・その世界では一般人の大人で社会人だった
・この世界の一部の人を元にした話があった
・なのでこの世界の常識や単語、物が分かる
・一部の行く末が分かるから悲劇を変えたい
・私はイレギュラーで本来はいない存在
ひどく[荒唐無稽]なことを話したが、父上はいたってマジメに、真剣な表情で時折うなづきながら聞いてくれている。
「………じんじてくれアマスか?………」
「ん?当たり前じゃないかえ!『シャラーラが明らかな大人顔負けの[天竜人]じゃできない話をした』と言った証拠もあるが、そんなことよりも、書いたであろう?『どんなことでも大好きだから』って……」
言いながら優しく優しく笑ってくれる姿にぎゅっとなってしまう。
「な"っ、ちちうえ───!!うわ~んっ」
(なに、この優しい人!!)
はい。今は私の[お父さん]です。
「ははは、そういうところはまだ子供だえ」
「…あ、ありがとうございます…ぐすっ」
柔らかく微笑む顔に『絶対に一緒に幸せになろうね』と誓う気持ちをを心に刻む。