第9章 忘れられた子どもたち
「……自分でって」
「じゃあ、今までずっとナルが夢を見させてくれてたの?暗示で?」
ナルは返事もしなければ頷なかった。
だけどただ優しい笑顔を浮かべているだけ。
それからナルはトランス状態に入る方法を教えてくれた。
教えてくれた事を心で復唱していれば、ナルが笑顔を浮かべながら尋ねてきた。
「──やり方はわかった?」
「……うん」
「……大丈夫」
「目覚める時には自分の身体のことを思い出す。それでちゃんと帰れるから」
「うん、わかった」
「──でも、ナル。説得ってどうすればいいの?」
その言葉にナルは微笑む。
「光を吹き込んであげること」
「光?」
「吹き込む?」
「うん。ぼくにもよく分からないけれど、天国があって地獄があるという考え方はある意味正しいという気がする。人は『身体』と『霊』で出来ている。ぼくは『霊』はさらに二つのものから出来ていると思っている。『魂』と『自我』だ。この『自我』が透明の膜のようなもの。『魂』を水のような形の定まらないものと考えてみる」
「形が定まらないもの……」
「『自我』は『魂』を包みこみ、ある形に整える働きをする。『自我』という膜は透明なので中にある『魂』という水の色が透けて見える。『自我』と『魂』が二つでつくりだす、色と形が『霊』なんじゃないかと思うんだ。さらに『魂』は水が酸素も水素出できているように『気持ち』という粒子出できている。この粒子にはプラスとマイナスがあって、プラスは光を放射し、マイナスは吸収する。プラスの『気持ち』は光で、マイナスは闇だ」
ナルの説明をゆっくりと飲み込むように覚える。
不思議と難しいようでわかりやすい説明であった。
「『魂』の活動によってこの二つの粒子な絶えず作られては『自我』という膜の外に放射されていく。プラスの粒子は軽いから、どんどん上へ昇っていくけどマイナスは重いから沈んでいく。そうして光同士闇同士が集まってる大きな場を作る。それが──」
「天国と地獄……なんだね」
「そう。人が死ぬと『身体』を失って『霊』だけになる。その時『魂』がマイナスの粒子をたくさん含んでいると『霊』は重いから沈んでしまう。どんどん沈んでいくとプラスの『気持ち』は逆に上に昇ろうとして、『霊』は外に吐き出されてしまう」
「そう、なんだ……」