第7章 血ぬられた迷宮
「例えば、二人のうちどちらかが死んでいてその死んだ時の経験を谷山さんたちは自分のことのように感じ取った。なんて可能性はないですか?」
「そういうテレパシー夢の例がないわけじゃないが、そうなると……」
「『殺された』ってことになりますよね……」
安原さんの『殺された』という言葉に息が詰まるような感覚を覚える。
「まさかとは思うが、ここの連中がなんかしてるんじゃねえだろうな」
「え?ここのって……大橋さんたちのこと?」
私の言葉にぼーさんが『そうだ』と頷く。
そして安原さんまでもが『ああ……』と何か思いついたかのような言葉を発していた。
「映画とかでありそうですよね。じつは以前失踪した二人もここの職員が……とか」
「そうそう。大橋さんが殺人狂だったりしてな」
「マスコミに知られると困るなんて言って、ここに閉じ込めて一人ずつ消していく……」
「「……本気?」」
安原さんとぼーさんの言葉に『正気か?』と麻衣と共に言葉を漏らす。
本気で二人は大橋さん達がそんな事をしていると思っているのだろうか。
少なくとも、あたしはそうじゃないと思う。
というよりも有り得ない話だろうと思っていた。
「でもおかしくねぇか。おれたちがここに来てから四日かそこらで二人の人間が消えてるんだぜ?職員連中が準備で一週間もいたのに何もねえってあるかよ」
「そういえば、この家に直接関係のある人は消えてませんよね」
「だろ?」
「それで大橋さんが殺人狂?」
「ナルが聞いたらどんな反応するかなぁ……」
きっと冷めた目線で『馬鹿か?』とか毒舌が飛んでくるはず。
それをぼーさんと安原さんも想像したのか、なんとも言えない表情になっていた。
「……そやけど、確かに消えたのは外部の人間ばかりと違いますか?」
「やだ!まさかジョンまで大橋さんたちが犯人なんて」
「ジョンまで!?」
「そんなんと違います。今までの様子を見ても失踪事件に霊が関係してるのんは間違いないと思いますし。ただ消えとるのが外部の人間ばっかりやゆうのは、なんか意味があるのと違いますやろか」
外部ばかりの人間ばかり行方不明になる意味。
この家に侵入した少年、彼の捜索していた消防団の青年。
そして霊能者の二人。
鈴木さんと厚木さん……。