第19章 旅行
その後、私たちはしばらく恋の話をした。
好きなタイプは誰だの、初恋はいつだの、なんだのと。
その度に騒いで笑った。
日付を超えた頃、男一人とパンダ一匹は部屋に戻って寝ると言い、部屋を後にした。
私達もそろそろ寝ようと話て布団に横になる。
私を真ん中に、右に野薔薇、左に禪院真希と川の字で。
「ねえ」
「なに……?」
大きくあくびをすれば、右隣の野薔薇が横を向いて私の顔をじっと見つめていた。
その瞳は真剣そのもので、私もつられて彼女の顔をじっと見てしまう。
「さっきは望みが薄いとか言ったけど、正直私はの恋を応援してるのよ」
「……なんだよ、急に」
「私はさ、あんたには幸せになってもらいたいって思ってるの」
「……野薔薇」
幸せって……。
そんなの、今だって私は幸せだよ。
私に好意を寄せてくれる友達がいて、正義感の強い友達がいて、口が悪い優しい親友がいて、喧嘩して叱って心配してくれる連中もいて。
これを幸せと言わずしてなんと言うのか。
「何かあったら、ちゃんと言ってよね。相談くらいなら乗るし」
「………うん」
「なぁにこそこそ話してんだお前ら~」
「ちょ、おっも……」
「あはは!!真希さん、くすぐった……あははは!!」
私と野薔薇の間に割り込むように入ってくる禪院真希。
脇をくすぐられ、二人してゲラゲラ笑った。
笑いすぎて涙が零れた。
「。頼っていいんだからな」
「わかった、から、くすぐ……っ、あははは!!やめ、あははっ!!」
「ようし。今日はこのくらいで勘弁してやろう」
「はぁー、はぁ……、つ、つかれた……」
私と野薔薇は布団の上でぜーはーと息を乱す。
それを上から満足そうに見る禪院真希。
私と野薔薇は目を合わせ、同時に禪院真希の腕を取った。
バランスを崩した女は布団の上に転がり、私は女の身体にまたがり脇をくすぐった。
両腕は野薔薇ががっしりと掴んでいて、仕返しとばかりに何度も何度もくすぐってやった。
部屋には禪院真希の笑い声と私と野薔薇の爆笑の声が響きわたる。
夜中だということも忘れて。
大声で騒いだ。
数分後には、3人共深い深い眠りへとついていた。