第40章 未来編 ヒミツと秘密 ✢
✢ 夢視点 ✢
「にゃほー!夢ーっ♡優ーっ♪」
子供みたいにジャンプして大きく手を振る高めの声が、12月の国際線到着ロビーに響いた。
スペインのサッカーリーグで大活躍、
W杯にも出た本物のサッカー選手。
平凡な大学生である私にはもったいない、
ビッグネームで素敵な恋人。
細い縁の伊達メガネと、向こうで買ったものか
オシャレなカーキ色のブルゾンがよく似合う。
「おかえり廻っ…!」
ラ・リーガは、年末年始の短いオフに入った。
シーズン途中にあるニ週間程の短いオフだから、
現地に残る選手もいるみたいだけど……
「本物の夢だぁー!逢いたかったー♪ぎゅー♡」
「廻っ…優さんにもちゃんとただいま言って…!」
「優、ただいマドリード♪」
「あっはは!廻はホントに夢ちゃん大好きだね!いいよいいよ、いっぱい抱きつきなー。」
だから、こうして帰ってきてくれるのはとても嬉しい。
廻は今年の8月で20歳になった。
リーグの開幕に合わせて7月半ばからスペインに渡った廻の、20歳の誕生日はきちんと祝えずにいた。
私は21歳、都内の美大に通う大学三年生だ。
年明けにはインターンに参加したり、自己アピールのための作品集を作ったり……
そろそろ就活が本格化する時期。
「廻もハタチになったんだね。誕生日にビデオ通話はしたけど、子供の成長って…早いもんだねっ…。」
「ありゃ?優、ちょっと涙ぐんでる?」
「嬉しくて、ね…廻が楽しそうにサッカーしてるのが。ホント、良かった…!」