合同リレー作品集【鬼滅・呪術・ヒロアカ・WB 他】
第5章 お題小説 花モチーフの歌 + α
だけどそれすら彼は喜んでいるように、私に口付けをしてくるので、私にできることは、彼に身を任せるしかできませんでした。
それでも耳元で、殊現様が何度も私の名前を呼んでいたので。
最後は、お互い指を絡めて、ずっとその手を握っていました。
私が次に目を覚ました時、まだ夜の静けさが残っていました。
少しだけ気を失っていたようです。
無意識に隣で寝ているであろう、殊現様を探すように手を伸ばしました。
しかし、私の手は宙を切り、布団に落ちたのです。
殊現様が隣に居ないと気が付いて、私が体を起こすと、殊現様は布団から出て、何やら床の間に腰をおろしていました。
「…殊現様…どうしたのですか?」
私は白小袖を羽織って、殊現様の元に歩みました。
「……いや…、祝言の日の花に、何故この花なのだろうと……。」
殊現様の目線の先には、私が置いた器の中に、露草の花が数個揺れていました。
「…あの日の花だな…。なぜこの花なんだ?」
殊現様は不思議そうに私の顔を見るので、私はゆっくりと目線を落としました。
「…露草は、朝露をたくさん溜める花なんです。小さい時にその様子を見て、私は涙をたくさん流す殊現様を思い浮かべたんです。」