第9章 IH予選まで
「俺、鈴からも応援されたい!」
「いや、応援してるし、試合中もずっと応援するし!」
「そー言うんじゃなくてさ!!!」
「ぷっ…。そんな必死になんなくても」
必死な形相の翔陽がおかしくなって笑いが噴き出す。
しかも何気に翔陽の後ろに飛雄と蛍、忠までいる。
まぁ、潔子さんへの感動はきっと今までの関係性からさらなる感動を生んでる可能性が高いし、あたしも…。
「えっと…。試合中、あたしは上から見てることしか出来ないけど、コートに声が届くくらい頑張って応援してるし…。とにかく!誰よりも応援してるから、頑張って!!!」
自分の精一杯の言葉で伝えてみる。
「「「おおおー!!!!」」」
「………」
忠と翔陽と飛雄から気合の入った声が出てる。
よかった。熱い気持ちは伝わったらしい。
蛍は…。なんかいつも通りだし大丈夫か。
「くっ、鈴まで…っ」
「俺たちを殺す気か…!!!」
近くにいた夕先輩と龍先輩まで興奮してるし。
「何か…いいなぁ」
「気合いはあるよな!」
旭先輩と孝史先輩もワナワナしてる。
「うおー!!!」
「うわぁぁぁあん!」
「ちょっと何コレ収拾つかないんだけど!!」
盛り上がるバレー部の温度にあわてる蛍。
「1回戦絶対勝つぞ!!!」
「「「うおおおッス!!!」」」
「蛍、忠、コレ」
「何?」
「えっ?」
盛り上がるバレー部も何とか解散して、いつもの帰り道。
蛍と忠と3人になる。
実は応援幕を直してる時にちょこちょこ時間を見つけては作ってたお守り。
一応みんなの分あるけど、何となく渡すタイミングが無くて、幼馴染の2人ならとりあえず受け取ってはくれるだろうと差し出してみた。
「なんか盛り上がりすぎて渡すタイミング無かったから。とりあえず2人には先に渡しておくてね」
「お、俺なんて試合にも出ないのに・・・」
「まだわかんないでしょ!コートのそばにいる以上、立派な選手だよ!」
「鈴…」
感動して泣き出す忠。
きっと1年の中で自分だけ出れないことにもどかしさを感じてたはず。
でも一回も出れないとは決まってないから。
「…。もらっとく」
「うん!頑張ってね!」
ちょっと恥ずかしかったけど、渡せてよかった。