第7章 練習試合!
「おや珍しい!音駒No.1シャイボーイの研磨クンが積極的ね」
「うるさい。そーいうんじゃ、ない」
「多分はじめましてじゃ、ないし」
「え?」
「…。RinRin、でしょ」
「!?!?!?」
狐爪さんが、呟いたのはあたしのネトゲの名前。
な、なんでこの人が…?
「わかんない?それとも違う?」
「うっ…」
試すように顔を覗き込む狐爪さん。
顔が可愛くて心臓に悪いな…、じゃなくて!
あたしはそこで、小学校6年に上がった時、水泳の地区大会で準優勝したことで買って貰えたPCでオンラインゲームにどハマりしていた頃を思い出す。
会うとしたらそこしか考えられない…。
「ま、まさか。Kenm@…?」
最初見た時は読み方に苦労したが、一度だけボイスチャットで話した時に教えて貰った。
確かあの某MMORPGでよく一緒に冒険していた。
「…あたり。だから、タメ口でいいし、呼び捨てでいい」
ニッと少し嬉しそうに口角が上がる。
チャットではすでにタメ口で話していたから、と言う意味だと思う。
なんでここでオフ会イベント発生してんの??
「あ、あー…。気づかなかった」
「なーんだ。やけに壁がないと思ったら知り合いだったの」
「最初はわかんなかったけど、声とか話し方とか、何となく聞いたことあるなって。でもさっきバレー部に幼馴染がいるって言うので」
「す、すごいね。まさかこんな確率でオンライン上の友達と遭遇するなんて」
「ね、俺もびっくりした。また今度ゲームしよ」
「うん!最近できてなかったから下手になってると思うけど」
「ちょっとちょっとー、お兄さん置いてけぼりなんですけどぉー」
まさかすぎる展開に頭が追いついてない部分もあるが、感動(?)の再会を果たし、連絡先を交換する。
「ちょっと、いつまで話してんの。行くよ」
「あ、ごめん蛍。今行くー!」
「じゃあ、またね」
「今日はありがとネ」
蛍に呼ばれたので黒尾さんと研磨に別れを告げ、その場を去る。
「黒尾サン。ねぇ…」
「どうかしたの」
「研磨クンちょっとずるくないですかー?」
「ずるいって何。元々知り合いだっただけでしょ」
「いーなー、俺も鉄朗さん、て呼ばれたーい」
「クロもそんな風に思うことあるんだ」
「俺だって健全な男子高校生だしぃー?」
「ふーん…」